牛蒡子(ごぼうし)

基原

キク科CompositaeのゴボウArctium lappa Linnéの成熟果実

性味

辛・苦、寒

帰経

肺・胃

効能・効果

①疏散風熱
②利咽散結
③祛痰止咳
④宣肺透疹
⑤解毒消腫

主な漢方薬

銀翹散(ぎんぎょうさん)
駆風解毒湯(くふうげどくとう)
柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
消風散(しょうふうさん)

特徴

ゴボウはヨーロッパから中国東部まで広く分布している大型の二年草です。日本では北海道の一部にのみ野生品が存在し、ほとんどは食用品として栽培されています。日本へは平安時代に中国から薬草として伝わり、日本で改良されて作物化しました。ゴボウの根を食べるのは日本や朝鮮半島だけで、ヨーロッパでは葉をサラダなどに利用しています。

「名医別録(めいいべつろく)」の中品に「悪実(あくじつ)」の名称で収載されました。実の部分が刺々しく形が悪いことが由来です。古くから果実のみならず、根を含めた全草が使用されていたと考えられますが、現在では牛蒡子が主に使用されています。

よく成熟しており、新しくて大粒でふっくらとして、皮が灰褐色のものが上品とされています。年を越して旧くなったものはよくないとされます。

解毒作用のある薬草のひとつとして、咽喉やその他の感染症・おでき・荒れ性・慢性的な皮膚症状の治療に用いられてきました。民間療法として、催乳剤として乳腺炎に使用されています。

辛涼の薬で冷まし、風熱の邪を体表から発散させる辛涼解表薬(しんりょうげひょうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に薄荷(はっか)、菊花(きくか)、桑葉(そうよう)、葛根(かっこん)、蔓荊子(まんけいし)、柴胡(さいこ)升麻(しょうま)などがあります。

風熱表証の発熱・微悪風寒・咽痛などの症状に用いられます。代表的な漢方薬に、薄荷や金銀花(きんぎんか)と一緒に配合された銀翹散(ぎんぎょうさん)があります。

風熱・熱毒による咽喉の腫脹・疼痛・発赤・化膿などに用いられます。代表的な漢方薬に、黄芩(おうごん)や金銀花と一緒に配合された牛蒡湯(ごぼうとう)があります。

風熱や肺熱による咳嗽・喀痰がすっきりでない・多痰などに貝母(ばいも)や桔梗(ききょう)と一緒に用いられます。

湿疹や慢性炎症やアトピー体質の治療に用いられます。代表的な漢方薬に、防風(ぼうふう)や蝉退(せんたい)と一緒に配合された消風散(しょうふうさん)があります。

牛蒡子と薄荷は共に疏散風熱の効能を持ちますが、薄荷は発汗に優れ、牛蒡子は清熱解毒に優れています。牛蒡子は発汗透発の力が弱いため、風熱にはこの2種類を併用することが多いです。

煎じ薬として用いる場合は、つき砕いて使用します。

寒性で滑利通便するので、脾虚の水様~泥状便には使用を避けましょう。炒熱するとこの寒性を軽減することができます。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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