前胡(ぜんこ)

基原

セリ科UmbelliferaeのPeucedanum praeruptorum Dunn、ノダケPeucedanum decursivum Maximowiczなどの根

性味

苦・辛、微寒

帰経

効能・効果

①降気消痰
②宣散風熱

主な漢方薬

前胡散(ぜんこさん)
蘇子降気湯(そしこうきとう)
参蘇飲(じんそいん)
荊防排毒散(けいぼうはいどくさん)

特徴

前胡はセリ科の異なる2種の植物に由来しています。P. praeruptorum は日本に分布しておらず、中国では「白花前胡」と呼ばれており、中国ではこちらの方を良品の前胡として利用することが多いようです。ノダケは中国と日本に分布する植物で、中国では「紫花前胡」と呼ばれています。日本産の和前胡はノダケの根に由来しています。その他にも中国ではカラボウフウや多くのセリ科植物の根を前胡として用いています。

ノダケは関東以西の低地の草地や林縁に生えている多年草で、東アジアに広く分布しています。茎は直立しており高さは1m前後になります。

咳を止める止咳平喘薬(しがいへいぜんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に杏仁(きょうにん)款冬花(かんとうか)、白前(びゃくぜん)、旋覆花(せんぷくか)、桑白皮(そうはくひ)、枇杷葉(びわよう)、蘇子(そし)桔梗(ききょう)があります。

前胡と杏仁は両者とも降気が主体で疏散の性質を持ちますが、前胡は涼性で降気消痰・散風清熱に偏っています。杏仁は温性で降気止咳平喘・散寒に偏っています。

前胡と柴胡(さいこ)は両者とも発散に働き、散風解熱に配合されるため、「二胡は風薬たり」と称されています。前胡は肺系に入り下降を主るのに対し、柴胡は肝胆経に入り上昇を主ります。

肺熱の咳嗽・黄色で粘稠な痰・胸苦しいなどの症状に杏仁や貝母(ばいも)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に、前胡散(ぜんこさん)があります。

風熱表証で咳嗽・多痰・呼吸促迫・咽痛などの症状がある場合に、薄荷(はっか)や牛蒡子(ごぼうし)などと一緒に用いられます。

生用が一般的ですが、密炙(炙前胡)すると潤肺・降気化痰に働きます。

陰虚火旺および寒飲咳嗽には用いません。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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