PC3. 曲沢（きょくたく）

　 所属する経脈

手の厥陰心包経（けついん しんぽうけい）

　名前の由来

曲沢（きょくたく）の『曲』は「曲がる」こと、『沢』は「沼沢」のことで浅いくぼみを表しています。

このツボは、肘を曲げたときにできるシワの内端のくぼみに位置することから曲沢と名付けられました。

　要穴

① 心包経の合水穴（ごうすいけつ）

五行論（ごぎょうろん）において、曲沢は『水』の性質を持っています。

　位置

肘を曲げたときにできるシワ（＝肘窩横紋）の上で、上腕二頭筋腱の内方に曲沢はあります。

肘窩横紋上には曲沢のほかに尺沢（しゃくたく）、曲池（きょくち）が並び、曲沢と尺沢は上腕二頭筋腱をはさむようにして位置しています。

　主治・効能

整形外科領域の症状

肘・腕の痛み、上肢のふるえ

主に、手の厥陰心包経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。

循環器系の症状

動悸、胸の痛み・不快感

心包は心臓との関係が深く、循環器疾患の治療に有効です。

その他

胃の痛み、嘔吐、咳嗽（せき）

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 上腕二頭筋腱・上腕筋

関係する筋肉

• 上腕二頭筋
• 上腕筋

関係する動脈・静脈

• 上腕動脈・静脈
• 尺側皮静脈

関係する神経

• 筋皮神経
• 内側上腕皮神経
• 内側前腕皮神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)