ST33. 陰市(いんし)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
別名・別表記
別名:陰鼎
名前の由来
陰市(いんし)の『陰』は「陰証」のこと、『市』は「集まる」場所であることを指しています。
このツボは気血が集まっている場所で、冷えなどの陰証に効き目があるため陰市と名付けられました。
陽証と陰証…東洋医学では、からだの陰陽バランスが整っている状態を健康と考え、そのバランスが崩れてしまった状態を病的と捉える。陰陽のバランスが崩れた状態のうち、陽に偏ったものを陽証、陰に偏ったものを陰証と呼び、一般的に以下のような特徴があらわれる。
陽証 | 陰証 |
---|---|
活動的 | 非活動的 |
暑がり | 寒がり |
体温が高い | 体温が低い |
汗をかきやすい | 汗をかきにくい |
顔色が赤い | 顔色が青白い |
冷やすと症状が軽くなる | 温めると症状が軽くなる |
尿の色が濃い | 尿が透明 |
便秘になりやすい | 下痢になりやすい |
位置
大腿前外側、大腿直筋腱の外側で、膝蓋骨底の上方3寸。
鼠径部の外側に、上前腸骨棘という骨の出っ張りがあります。
その骨の出っ張りと、膝蓋骨(ヒザの皿)の上部外端を結んだ線上、ヒザ側から上に3寸(1寸 = 手の親指の横幅の長さ)上がったところに陰市はあります。
膝蓋骨の上部外端と上前腸骨棘を結ぶ線上には陰市以外にもツボがいくつか存在していて、上前腸骨棘のすぐ下に髀関(ひかん)、陰市の3寸上に伏兎(ふくと)、陰市の1寸下に梁丘(りょうきゅう)があります。
主治・効能
整形外科領域の症状
股関節・太もも・膝や腫れ、腰痛、屈伸困難、下肢の麻痺
主に、足の陽明胃経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
消化器系の症状
腹痛、お腹の張り
足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状にも効果があります。
その他
太もも・膝の冷え、浮腫(むくみ)、脚気(かっけ)
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 大腿直筋腱と外側広筋の間 → 中間広筋
関係する筋肉
- 大腿直筋
- 外側広筋
- 中間広筋
関係する動脈・静脈
- 外側大腿回旋動脈・静脈
関係する神経
- 大腿神経
- 外側大腿皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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