ST20. 承満(しょうまん)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
承満(しょうまん)の『承』は「受納」、『満』は「膨満」を意味しています。
このツボは胃に作用するものであり、胃が食べ物を受納して膨満している様子を表して承満(しょうまん)と名付けられました。
位置
上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方2寸。
おへそから左右に2寸(1寸=手の親指の横幅)離れ、そこから上方へ5寸いったところに承満はあります。
このツボがある高さには他にもいくつかのツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、上脘(じょうかん)、腹通谷(はらつうこく)、承満が存在しています。
また、おへその2寸外側には足の陽明胃経のツボが縦に並んでいて、上から順に、不容(ふよう)、承満、梁門(りょうもん)、関門(かんもん)、太乙(たいいつ)、滑肉門(かつにくもん)、天枢(てんすう)、外陵(がいりょう)、大巨(だいこ)、水道(すいどう)、帰来(きらい)、気衝(きしょう)と続いています。
主治・効能
消化器系の症状
胃の痛み、胃潰瘍(いかいよう)、胃けいれん、食欲不振、お腹の張り、胃もたれ、胸焼け、嘔吐(おうと)、下痢、吐血
承満は胃の近くにあるため、主に消化器系の症状に対して用いられます。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 腹直筋鞘前葉 → 腹直筋 → 腹直筋鞘後葉
関係する筋肉
- 腹直筋
関係する動脈・静脈
- 上腹壁動脈・静脈
関係する神経
- 肋間神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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