ST25. 天枢(てんすう)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
別名・別表記
別名:長谿(ちょうけい)、長鶏(ちょうけい)、長谷(ちょうこく)、穀門(こくもん)、谷門(こくもん)、循際(じゅんさい)、大腸募(だいちょうぼ)
名前の由来
天枢(てんすう)の『天』は「上部」、『枢』は「枢軸」もしくは「要所」の意味です。
このツボはおへその真横にあり、上半身と下半身(天と地)の境となる要所であることから天枢と名付けられました。
ちなみに、天枢とは星の名前であり、北斗七星の一番目の星(おおくま座α星)を指しています。
要穴
① 大腸の募穴(ぼけつ)
募穴の『募』は「集結する」という意味を持っており、天枢は大腸の経気が集まるところです。
そのため、大腸に関係する病変の際にはこのツボに反応がよく現れます。
募穴は全部で12個あり、それぞれは六臓六腑に一つずつ対応しています(天枢は大腸に対応)。
それらはすべて腹部や胸部に位置しており、必ずしも同名の経脈上にあるとは限りません。
天枢もその一つで、天枢は胃経に属していますが大腸の募穴となっています。
位置
上腹部、臍中央の外方2寸。
おへそから真横に2寸(1寸=手の親指の横幅)いったところに天枢はあります。
おへそのある高さには他にもいくつかのツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、神闕(しんけつ)[おへその中央にあるツボ]、肓兪(こうゆ)、天枢、大横(だいおう)、帯脈(たいみゃく)が存在しています。
また、おへその2寸外側には足の陽明胃経のツボが縦に並んでいて、上から順に、不容(ふよう)、承満(しょうまん)、梁門(りょうもん)、関門(かんもん)、太乙(たいいつ)、滑肉門(かつにくもん)、天枢、外陵(がいりょう)、大巨(だいこ)、水道(すいどう)、帰来(きらい)、気衝(きしょう)と続いています。
主治・効能
消化器系の症状
下痢、便秘、赤痢(せきり)、腸炎、虫垂炎、胃の痛み、お腹の張り、嘔吐(おうと)
天枢は小腸や大腸の近くに位置するため、主に消化器系の症状に対して効果があります。
特に、天枢は大腸の募穴であることから大腸疾患の特効穴として用いられます。
泌尿器系の症状
頻尿、腎炎、生理不順、不正出血、生理痛、浮腫(むくみ)
このツボは下腹部に近く、泌尿器系や生殖器系とも関係があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 腹直筋鞘前葉 → 腹直筋 → 腹直筋鞘後葉
関係する筋肉
- 腹直筋
関係する動脈・静脈
- 下腹壁動脈・静脈
- 浅腹壁動脈・静脈
関係する神経
- 肋間神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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