ST22. 関門(かんもん)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
関門(かんもん)の『関』は「関所」のことで、『門』の開閉を管理することを表しています。
このツボは胃と腸の境目にあり、門が閉じたように食を受け付けないときや、門が開いたように下痢が止まらないときなどに用いられることから関門と名付けられました。
位置
上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方2寸。
おへそから左右に2寸(1寸=手の親指の横幅)離れ、そこから上方へ3寸いったところに梁門はあります。
このツボがある高さには他にもいくつかのツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、建里(けんり)、石関(せきかん)、関門、腹哀(ふくあい)が存在しています。
また、おへその2寸外側には足の陽明胃経のツボが縦に並んでいて、上から順に、不容(ふよう)、承満(しょうまん)、梁門(りょうもん)、関門、太乙(たいいつ)、滑肉門(かつにくもん)、天枢(てんすう)、外陵(がいりょう)、大巨(だいこ)、水道(すいどう)、帰来(きらい)、気衝(きしょう)と続いています。
主治・効能
消化器系の症状
胃もたれ、胃の痛み、お腹の張り、消化不良、食欲不振、下痢、便秘、胃かいよう、十二指腸かいよう、胃けいれん
関門は胃と腸の境目あたりに位置するため、主に消化器系の症状に対して効果があります。
泌尿器系の症状
尿失禁、浮腫(むくみ)
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 腹直筋鞘前葉 → 腹直筋 → 腹直筋鞘後葉
関係する筋肉
- 腹直筋
関係する動脈・静脈
- 上腹壁動脈・静脈
関係する神経
- 肋間神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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