LI10. 手三里(てさんり)

 所属する経脈

手の陽明大腸経(ようめい だいちょうけい)

 別名・別表記

別名:三里(さんり)鬼邪(きじゃ)

もともとは三里と表現されているツボでしたが、足の陽明胃経(ようめい いけい)にある足三里(あしさんり)と区別するため、手三里(てさんり)という呼び名が使われるようになりました。

また、鬼邪という名は手三里ではなく足三里の方を指しているという説もあります。

 名前の由来

手三里の『三』は「三寸」のこと、『里』は「気血の集まるところ」を人里に例えたものです。
このツボは、肘髎(ちゅうりょう)から3寸(親指以外の手の指4本分の幅)離れていて、気血の集まるところであることから手三里と名付けられました。

 位置

前腕後外側、陽渓(LI5)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方2寸。

手首の関節上にある陽渓(ようけい)と、肘の関節上にある曲池(きょくち)を結んだ線の上、曲池から2寸(手の親指の横幅2つ分)下がったところに手三里があります。

陽渓曲池を結ぶ線上には複数のツボが並んでいて、手三里の他に、偏歴(へんれき)温溜(おんる)下廉(げれん)上廉(じょうれん)があります。

その位置関係として、手三里上廉の1寸上(親指の幅1つ分上がったところ)下廉の2寸上(親指の幅2つ分上がったところ)に存在しています。

 主治・効能

消化器系の症状

腹痛胃の痛みお腹の張り

手の陽明大腸経に属するツボのため、上記のような消化器系の症状に用いられます。

整形外科領域の症状

肩・腕・肘の痛み肩こり橈骨神経障害片麻痺

主に、手の陽明大腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

顔の症状

頭痛歯の痛み舌の痛み顔面神経麻痺

手の陽明大腸経は顔にも分布しているため、顔に出る症状に対しても効果があります。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 長橈側手根伸筋 → 短橈側手根伸筋 → 総指伸筋 → 回外筋

関係する筋肉

  • 長橈側手根伸筋
  • 短橈側手根伸筋
  • 総指伸筋
  • 回外筋

関係する動脈・静脈

  • 橈骨動脈・静脈

関係する神経

  • 外側前腕皮神経(筋皮神経)
  • 橈骨神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)