LI8. 下廉(げれん)
所属する経脈
手の陽明大腸経(ようめい だいちょうけい)
名前の由来
下廉(げれん)の『下』は「下方」、『廉』は「菱形の角」を意味しています。
このツボは、肘を深く曲げた時にできる菱形の盛り上がりの下方に位置することから、下廉と名付けられました。
下廉の上方には、同様の由来を持つ上廉(じょうれん)が存在しています。
位置
前腕後外側、陽渓(LI5)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方4寸。
手首の関節上にある陽渓(ようけい)と、肘の関節上にある曲池(きょくち)を結んだ線を3等分したとき、肘側から3分の1のところに下廉があります。
陽渓と曲池を結ぶ線上には複数のツボが並んでいて、下廉の他に、偏歴(へんれき)、温溜(おんる)、上廉(じょうれん)、手三里(てさんり)があります。
その位置関係として、下廉は上廉の1寸下(親指の幅1つ分下がったところ)、手三里の2寸下(親指の幅2つ分下がったところ)に存在しています。
主治・効能
消化器系の症状
下痢、腹痛、消化不良、お腹の張り
手の陽明大腸経に属するツボのため、上記のような消化器系の症状に用いられます。
整形外科領域の症状
肘・腕の痛みや痺れ、橈骨神経障害、片麻痺
主に、手の陽明大腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
顔の症状
眩暈(めまい)、頭痛、目の痛み
手の陽明大腸経は顔にも分布しているため、顔に出る症状に対しても効果があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 長橈側手根伸筋 → 短橈側手根伸筋 → 回外筋
関係する筋肉
- 長橈側手根伸筋
- 短橈側手根伸筋
- 回外筋
関係する動脈・静脈
- 橈骨動脈・静脈
関係する神経
- 外側前腕皮神経(筋皮神経)
- 橈骨神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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