【漢方相談】40代・女性 乗り物酔い・胃腸の不調・便秘

◆ ご相談された症状

・乗り物酔い
・胃腸の不調
・便秘

◆ ご相談されて症状はどう変わりましたか?

以前は電車や新幹線でも乗り物酔いをして、旅先ではモヤモヤ感があるなかスタートすることがありましたが、今では酔うことなく乗り物に乗れ、気持ちよく旅行をスタート出来るようになりました。

幼い頃から1週間に1~2回しか便が出ず、ずっと便秘だったのですが、1日置きに出るようになりお腹のはりや重さがなくなりました。またカチカチの便ではなくなったので痔の心配もなくなりました。

本当にありがとうございました。

桃華堂からのコメント

この方はひどい乗り物酔いがあり、乗り物で長距離の移動をすると吐き気や下痢などの胃腸症状がよく出ていました。冷房にも弱く、水を飲むと気持ち悪くなるほど胃腸が弱っていました。

舌を拝見したところ、表面に水が浮いており、水分の吸収がうまくできていないことがわかりました。縁に歯の痕もついており、胃腸の弱りも見られました。そのため、漢方薬は水分代謝を改善する五苓散(ごれいさん)参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)を中心に、胃腸を整えるものを配合しました。

始めの頃はなかなか改善せず、遠出すると気持ち悪さや吐き気がでていましたが、半年経つ頃には徐々に改善し、なんとか耐えられることが多くなりました。食後にトイレに行きたくなることも減り、冷房を浴びても体調を崩すことが少なくなりました。約1年半ほど服用していただき、ほとんど症状がなくなったため治療を終了しています。

乗り物酔いは水分代謝が悪い方に起きやすい症状です。この方が通っていたカイロプラクティックの先生には水分をとるように指導されていたようですが、水を飲むと気持ち悪くなるような方には逆効果になります。水を飲むと吐いてしまうような状態を、漢方では「水逆(すいぎゃく)」と言います。水逆は胃腸に水分の停滞があることで起こります。一過性の水逆には水分代謝を改善する五苓散が適しており、速やかに効果がみられることが多いですが、この方の治療では改善に時間がかかってしまいました。この理由として、水分代謝を悪くしている根本に胃腸虚弱があり、体質からじっくりと治す必要があったためです。そのため、胃腸が元気になることで、吐き気だけでなく冷えや便秘、頭痛など様々な症状が改善される結果となりました。