【漢方相談】50代・女性 酒さ(顔の赤み)

◆ ご相談された症状

顔の赤み、かゆみ

◆ ご相談されて症状はどう変わりましたか?

原因が胃腸からとのことで、漢方を処方していただき、3ヶ月ほどで赤み、かゆみが無くなりました。

思ったより早く治ってよかったです。また何かありましたらご相談したいです。

桃華堂からのコメント

この方は4~5年前から顔の赤み・かぶれを発症し、皮膚科で「酒さ」と診断され、ステロイド治療を受けていました。しかしながら、治療後も赤みと痒みが続いていたため当店に来られました。体質として軟便傾向にあり、また更年期障害もあったため市販の漢方薬を服用していました。

舌を診察したところ、縁に歯の跡がついており、胃腸の弱りが見られました。皮膚科では温かい飲み物を控えるように指導されていたそうですが、胃腸の冷えから軟便になっていると考えられたため、お腹を温める人参湯(にんじんとう)と下痢を改善する参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)をお渡ししました。

服用開始から1週間で顔の赤みと痒みが軽減し始め、その後も順調に改善がみられました。症状の改善から冷えが良くなったと判断し、人参湯を中止しましたが、下痢と酒さが再び悪化してしまいました。なかなか胃腸の冷えが改善しないので併用薬を確認したところ、更年期障害で服用中の市販薬の中に、下剤の成分である大黄(だいおう)が含まれていることがわかりました。大黄には身体を冷やす性質があるため、市販薬を中止してもらいました。その後、胃腸を整えていくと酒さと下痢の両方が改善し、症状はほとんど見られなくなりました。

顔の赤みでご相談に来られる方の中には、胃腸が冷えている方が多くいます。お腹が冷えるほど、身体は冷えた内臓を温めようとして熱をつくります。その熱が頭のほうまで昇ってしまうと、ほてりや酒さを引き起こす原因となります。今回のご相談では、下剤の服用や温かい飲みものを避ける習慣など、胃腸を冷やす要因が複数ありました。こういった場合は、お腹を温めることが根本的な解決につながります。