釣藤散(ちょうとうさん)
組成
釣藤鈎(ちょうとうこう)・菊花(きくか)・防風(ぼうふう)・人参(にんじん)・茯苓(ぶくりょう)・石膏(せっこう)・麦門冬(ばくもんどう)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうきょう)・陳皮(ちんぴ)・半夏(はんげ)
効果
慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向のあるもの
効能
平肝熄風・清熱化痰・益気
主治
肝厥の頭痛・めまい
方意
もともと高血圧傾向であったり、動脈硬化症を患っている方で、「肝」に不調があり、体内に余剰な水分が毒化した「痰」が停滞したタイプに用います。
診断のポイントは、午前中に調子が悪くなる・イライラ・のぼせ・頭痛・ふらつき・めまい・腹部軟・肩こりなどです。
日本では使用目標として「朝の頭痛」を挙げていますが、これは気虚関連の症状と考えられます。
癇症で気が上逆し頭痛・めまいのする方、例えば脳動脈硬化症の方に用います。
体格は中等かやせ型、顔はやや蒼白く、元気はありますが気難しく頑固な高齢者などにこの証が多いです。
肝の失調を正す生薬が多く含まれ、特に主薬の釣藤鈎には優れた鎮静・鎮痙・降圧効果があります。釣藤散を用いるケースでは、肝のオーバーヒート状態と痰による病態が見られるため、半夏・生姜・陳皮など余剰な水分や痰を除去する生薬が多いのも特徴です。人参・甘草・茯苓の補気健脾剤も、水分や痰の除去をサポートする目的で入っています。水分除去を担う生薬たちが体を渇かしすぎないように、潤いを補う(補陰)の効果を持つ麦門冬が加えられています。
原典である「普済本事方(ふさいほんじほう)」では、さらに鎮静安心効果に優れた茯神(ぶくしん)を加えています。
類方鑑別
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):
胃腸虚弱で腹部に動悸があり、小児または若年者の神経過敏で怒りやすく興奮して眠れない場合に用います。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
比較的体力が充実した方の頭痛・頭重・不安・不眠などに用いられます。この場合、便秘の傾向があり、季肋部の抵抗・圧痛を認める場合に用います。
半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):
胃腸虚弱な方で、心窩部振水音を認め、頭痛・頭重・めまいなどがある場合に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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