LU3. 天府(てんぷ)
所属する経脈
手の太陰肺経(たいいん はいけい)
名前の由来
天府(てんぷ)の『天』は、五臓の中で一番上に位置している肺のことを指しています。また、『府』は「集まる」という意味を持ちます。
肺は人体の気が集まるところであることから、天府と名付けられました。
位置
上腕前外側、上腕二頭筋外側縁、腋窩横紋前端の下方3寸
脇にできるシワから3寸下で(人差し指~小指の幅分下がったところ)、上腕二頭筋(力こぶを作る筋肉)の外側にあります。
簡単に探す方法としては、座った状態で腕を前にまっすぐ伸ばし、そこに顔を近づけたときに鼻先が触れる場所が天府にあたります。
また、脇のシワの前端と尺沢(しゃくたく)を結んだ線上で、脇から3分の1のところに天府が位置しています。
同じ上腕二頭筋の外側に並ぶツボとして、天府の1寸下(親指の幅1つ分下がったところ)に侠白(きょうはく)があります。
主治・効能
呼吸器系の症状
咳嗽(せき)、気管支喘息、のどの腫れ・痛み、鼻血
手の太陰肺経に属するツボのため、上記のような呼吸器の症状に用いられます。
整形外科領域の症状
肩こり、肩の痛み・痺れ、腕の痛み・痺れ
主に、手の太陰肺経の走行部位と関係のある症状に使われます。
その他の症状
高血圧
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 上腕二頭筋
関係する筋肉
- 上腕二頭筋
- 上腕筋
関係する動脈・静脈
- 上腕動脈
- 上腕静脈
- 橈側皮静脈
関係する神経
- 上外側上腕皮神経
- 筋皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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