韮子(きゅうし)

基原

ユリ科LiliaceaeのニラAllium tuberosum Rottlerの成熟種子

性味

辛・甘、温

帰経

肝・腎

効能・効果

①温腎壮陽・固精

主な漢方薬

特徴

ニラは餃子に欠かせない材料であり、独特の香りがあります。栄養価が高く、ニンニクと並びスタミナが付く食材として利用されています。ニラはネギ属に属しており、タマネギやニンニクも同じ属になります。共通の香気成分であるアリシンを含んでいるのでこれらの植物は似たような香りを生じます。

古来中国の五行思想に基づいて、香りの強い5つの野菜を避けるという風習があり、その野菜を「五葷(ごくん)」と言います。ニラはその一つです。地域や時代によって5つの野菜は変わりますが、他にもニンニク、ラッキョウ、アサツキ(またはタマネギ)、ネギが該当すると考えられています。五葷と動物性食材を避ける方をオリエンタル・ヴィーガン(オリエンタル・ベジタリアン)と呼びます。

日本には中国から渡来し栽培されていましたが、現在は本州から九州で自生状態になっています。中国では最も古い野菜の1つといわれ、日本でも古事記にカミラ(加美衣)の名で記載され、古くからスタミナのつく野草として扱われています。名前の由来は、古名のミラが転じてニラになったと考えられています。

生薬としてよく使われるのはニラの種子である「韮子」もしくは「韮菜子(きゅうさいし)」です。ニラの茎葉は「韮白(きゅうはく)」や「韮菜(きゅうさい)」、根鱗茎は「韮菜根(きゅうさいこん)」と呼ばれていますが、生薬として利用されることはあまりありません。葉には止血作用、解毒作用があります。根には汗を止める働きがあり、寝汗や虚脱による汗などに用いられます。

民間療法として腰痛や頻尿のときに種子を水で服用されていました。

陽虚を改善する助陽薬(じょようやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に鹿茸(ろくじょう)、冬虫夏草(とうちゅうかそう)、巴戟天(はげきてん)、肉蓯蓉(にくじゅよう)、杜仲(とちゅう)、菟絲子(としし)、淫羊霍(いんようかく)などがあります。

腎陽不足によるインポテンツ・頻尿・下痢などに用いられます。

陰虚(潤い不足)体質で、手足がほてる人や顔がのぼせやすい人には禁忌となっています。