香薷(こうじゅ)

基原

シソ科Labiataeのナギナタコウジュ属植物Elsholtzia splendens Nakai et F.Maekawaの全草。その他市場には同科のホソバヤマジソをはじめとするイヌコウジュ属植物、その他に由来するものがある

性味

辛、微温

帰経

肺・脾・胃

効能・効果

①発汗解表・和中化湿
②利水消腫

主な漢方薬

香薷飲(こうじゅいん)

特徴

ナギナタコウジュは日本では北海道から九州、またアジアの温帯に分布している一年草です。山地の林縁や道端の草地に生えていることが多いです。

花のつき方が薙刀の刃の部分に似ていることが名前の由来です。 

暑気払いの薬で、江戸時代には霍乱(かくらん)の薬として、旅行者の多くがナギナタコウジュを携行していました。

香薷は辛温で発汗解表し利水にも働き、麻黄(まおう)とよく似ているので、「夏月の麻黄」とも呼ばれていました。「夏に香儒を用いるは、冬に麻黄を用いるがごとし」といって、夏期の解表薬として用いられています。

全体的に強い香りがあるので、煎液をうがいすることで口臭の除去に用いることができます。

夏季に発生する暑邪(しょじゃ)を除き、熱中症などを改善する祛暑薬(きょしょやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に佩蘭(はいらん)、白扁豆(びゃくへんず)、緑豆(りょくず)、西瓜(せいか)、荷葉(かよう)藿香(かっこう)などがあります。

夏期に納涼したり、冷たい飲食物により寒邪を外感すると同時に、湿邪が脾胃を損傷し、悪寒・発熱・無汗・腹痛・胸苦しい・頭重・嘔吐・下痢などの寒湿の症状が生じたとき(胃腸型感冒あるいは急性胃腸炎など)に用いられます。このような状態を「陰暑(いんしょ)」といいます。

利尿作用があり、頭面部の浮腫・悪寒・無汗・尿量減少などに単味あるいは健脾利水の白朮(びゃくじゅつ)と一緒に使用しますが、薬力が弱いので臨床的にはあまり用いられていません。

香儒は熱服すると嘔吐しやすいので、冷ましてから服用したほうがよいです。黄芩(おうごん)黄連(おうれん)などを配合することで、嘔吐の副作用をおさえることができます。

発汗解表には水煎し、利水消腫には丸薬として服用します。

温で辛散の性質があるので、高熱・汗が多い・口渇などの「陽暑(ようしょ)」の症状がある場合は使用を避けます。

表虚の多汗がある方には禁忌です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

前の記事

降香(こうこう)

次の記事

香附子(こうぶし)