ST8. 頭維(ずい)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
頭維(ずい)の『頭』は「頭部」のこと、『維』は「つなぐ」ことを意味していて、ここでは頭と顔のつなぎ目、すなわち髪の生え際を指しています。
このツボは頭のそりこみ部分の髪の生え際に位置しているため、頭維と名付けられました。
位置
頭部、額角髪際の直上0.5寸、前正中線の外方4.5寸。
おでこの最も外側、そりこみ部分の髪の生え際から0.5寸(1寸 = 手の親指の横幅)上がったところに頭維はあります。
髪の生え際には複数のツボが水平に並んでいて、体の中心から外側に向かって、神庭(しんてい)、眉衝(びしょう)、曲差(きょくさ)、頭臨泣(あたまりんきゅう)、本神(ほんじん)、頭維の順に存在しています。
主治・効能
顔の症状
頭痛、眩暈(めまい)、目の痛み、流涙症、顔面神経麻痺
頭維はその部位から、顔に出る諸症状に対して治療効果があります。
特に、頭維は頭部で目の近くに位置するツボのため、頭や目に関係する疾患によく用いられます。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 前頭筋
関係する筋肉
- 前頭筋
関係する動脈・静脈
- 浅側頭動脈・静脈
関係する神経
- 顔面神経
- 眼窩上神経(三叉神経第1枝である眼神経の枝)
- 側頭神経(三叉神経第2枝である上顎神経の枝)
- 耳介側頭神経(三叉神経第3枝である下顎神経の枝)
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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