ST44. 内庭(ないてい)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
内庭(ないてい)の『内』は「深部」、『庭』は「空き地」を意味しています。
このツボは足の人差し指と中指の間の、ちょうど空き地のようになっている場所にあり、かつ深部に及んだ病を治すことから内庭と名付けられました。
要穴
① 胃経の栄水穴(えいすいけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、内庭は『水』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。足の陽明胃経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、内庭は『水』にあたる。
位置
足背、第2・第3足趾間、みずかきの後縁、赤白肉際。
足の甲側で、人差し指と中指の付け根のくぼみに内庭はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
足背の腫れ・痛み、足指の麻痺
主に、足の陽明胃経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
消化器系の症状
胃痛、お腹の張り、下痢、便秘、食中毒
足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状に効果があります。
顔面部の症状
歯の痛み、歯肉の腫れ、鼻血、顔面の浮腫(むくみ)
足の陽明胃経は顔面部も走行しており、顔に出る諸症状にも有効です。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 第2・3指の長・短趾伸筋腱の間 → 第2・3の中足骨頭の間
関係する筋肉
- 長趾伸筋
- 短趾伸筋
- 第2背側骨間筋
関係する動脈・静脈
- 背側趾動・静脈
- 足背静脈網
関係する神経
- 内側足背皮神経(浅腓骨神経の枝)
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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