ST43. 陥谷（かんこく）

　 所属する経脈

足の陽明胃経（ようめい いけい）

　名前の由来

陥谷（かんこく）の『陥』は「陥凹」、『谷』は山間の「谷」のことを指しています。

このツボは第2・第3中足骨の間にあり、その部位が谷のように陥凹していることから陥谷と名付けられました。

　要穴

① 胃経の兪木穴（ゆもくけつ）

五行論（ごぎょうろん）において、陥谷は『木』の性質を持っています。

　位置

足の甲側の人差し指と中指の骨の結合部より、足先に向けて指を滑らせた際に触れることのできる陥凹部に陥谷はあります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

足背の腫れ・痛み

主に、足の陽明胃経の走行部位、特に陥谷のある部位に関係する症状に対して用いられます。

消化器系の症状

胃痛、腹鳴、お腹の張り

足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状に効果があります。

顔面部の症状

目の腫れ・充血、眼瞼下垂、顔面の浮腫（むくみ）

足の陽明胃経は顔面部も走行しており、顔に出る諸症状にも有効です。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 長趾伸筋腱 → 短趾伸筋腱 → 第2背側骨間筋 → 母趾内転筋

関係する筋肉

• 長趾伸筋
• 短趾伸筋
• 第2背側骨間筋

関係する動脈・静脈

• 足背動・静脈
• 足背静脈網

関係する神経

• 深腓骨神経
• 内側足背皮神経（浅腓骨神経の枝）

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)