ST45. 厲兌(れいだ)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
厲兌(れいだ)の『厲』は「激しい」こと、『兌』は「末端」を意味しています。
このツボは足の人差し指の末端に位置していて、かつ激しい症状に対して用いられることから厲兌と名付けられました。
要穴
① 胃経の井金穴(せいきんけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、厲兌は『金』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。足の陽明胃経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、厲兌は『金』にあたる。
位置
足の第2趾、末節骨外側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
足の人差し指の爪の根本のすぐ外側に厲兌はあります。ちょうど爪の底部の水平線と外側縁の垂線が交わったところに位置しています。
主治・効能
整形外科領域の症状
足の痛み・冷え
主に、足の陽明胃経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
消化器系の症状
お腹の張り、胃炎、黄疸
足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状に効果があります。
顔面部の症状
歯の痛み、口の歪み、鼻血、顔面の浮腫(むくみ)
足の陽明胃経は顔面部も走行しており、顔に出る諸症状にも有効です。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 爪根
関係する動脈・静脈
- 背側趾動・静脈
関係する神経
- 内側足背皮神経(浅腓骨神経の枝)
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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