ST42. 衝陽(しょうよう)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
別名・別表記
別名:会原
名前の由来
衝陽(しょうよう)の『衝』は「動く」こと、『陽』は「高い」ところを意味しています。
このツボは足の甲の高いところにあり、その部位でちょうど足背動脈の拍動を感じられることから衝陽と名付けられました。
要穴
① 胃の原穴(げんけつ)
原穴は原気(元気)に通じていて、正経十二経脈(足の陽明胃経など)の根本となるところです。
そのため原穴は十二経脈にそれぞれ一つずつ存在していて、それらのツボはすべて手首や足首の近くに位置しています。
臓腑が病気になったときには原穴に反応が現れ、その治療を行う際にも高い効果を発揮します。
位置
足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部。
足の人差し指から足首に向かって上がっていき、足の甲の高くなった部位に衝陽はあります。
この部位を指で軽く触れると、足背動脈の拍動を感じられます。
主治・効能
整形外科領域の症状
足の麻痺・無力感、足背の腫れ
主に、足の陽明胃経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
消化器系の症状
胃痛、お腹の張り、食欲不振
足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状に効果があります。
顔面部の症状
頭痛、歯痛、顔面神経麻痺、顔面の浮腫(むくみ)
足の陽明胃経は顔面部も走行しており、顔に出る諸症状にも有効です。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 長母趾伸筋腱と長趾伸筋腱の間 → 短母趾伸筋 → 中間楔状骨
関係する筋肉
- 長母趾伸筋
- 長趾伸筋
- 短母趾伸筋
関係する動脈・静脈
- 足背動・静脈
- 足背静脈網
関係する神経
- 深腓骨神経
- 内側足背皮神経(浅腓骨神経の枝)
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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