SI8. 小海(しょうかい)
所属する経脈
手の太陽小腸経(たいよう しょうちょうけい)
名前の由来
小海(しょうかい)の『小』は「小腸」、『海』は川の水が合流して「集まる」様子を表しています。
このツボは手の太陽小腸経に属し、その経の気血が集まってくる場所であることから小海と名付けられました。
要穴
① 小腸経の合土穴(ごうどけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、小海は『土』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の太陽小腸経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、小海は『土』にあたる。
位置
肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部。
肘を軽く曲げて、肘の先端と肘の内側にある骨の出っ張りの間のくぼみに小海はあります。
この部位には神経が通っているため、ぶつけたりすると電撃様の衝撃が小指の方まで走ります。
主治・効能
整形外科領域の症状
腕や肘の痛み・しびれ、肩こり、首のこわばり、尺骨神経麻痺
手の太陽小腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
顔の症状
頭痛、めまい、耳鳴り、難聴、歯の痛み
手の太陽小腸経は顔面部も通っているため、顔に出る症状にも有効です。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 尺骨神経溝
関係する筋肉
- 尺側手根屈筋
関係する動脈・静脈
- 尺側反回動脈・静脈
- 尺側皮静脈
関係する神経
- 尺骨神経
- 内側前腕皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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