SI9. 肩貞（けんてい）

　 所属する経脈

手の太陽小腸経（たいよう しょうちょうけい）

　名前の由来

肩貞（けんてい）の『肩』は「肩部」、『貞』は「正しい」ことを意味しています。

このツボは肩にあり、腕を上げ下げしても動かず正しい位置にあることから肩貞と名付けられました。

　位置

肩の後ろ側、わきのシワの後端から上に1寸（手の親指の横幅の長さ）上がったところに肩貞はあります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

手や腕の痛み・しびれ、肩こり、肩関節周囲炎（五十肩）、上肢挙上困難、リウマチ

手の太陽小腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

顔の症状

頭痛、耳鳴り、歯の痛み

手の太陽小腸経は顔面部も通っているため、顔に出る症状にも有効です。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 三角筋後部 → 上腕三頭筋長頭 → 大円筋 → 広背筋

関係する筋肉

• 三角筋
• 上腕三頭筋
• 大円筋
• 小円筋

関係する動脈・静脈

• 後上腕回旋動脈・静脈
• 肩甲回旋動脈・静脈

関係する神経

• 橈骨神経
• 腋窩神経
• 肩甲下神経
• 上外側上腕皮神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)