SI7. 支正（しせい）

　 所属する経脈

手の太陽小腸経（たいよう しょうちょうけい）

　名前の由来

支正（しせい）の『支』は「分枝」、『正』は「正経」のことで、ここでは手の太陽小腸経を指しています。

このツボは小腸経の絡穴（”要穴” の項を参照）であり、ここから小腸経の分枝が分かれて手の少陰心経につながることから支正と名付けられました。

　要穴

① 小腸経の絡穴（らくけつ）

絡穴の『絡』は「まとう」という意味で、表裏関係にある経脈へと分かれているところです（手の太陽小腸経 → 手の少陰心経）。

表裏の経脈にまたがる不調を同時に治療したり、慢性疾患に効果があるとされています。

　位置

陽谷（ようこく）と小海（しょうかい）を結ぶ線上で、その中点から手首側に1寸（手の親指の横幅の長さ）下がったところに支正はあります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

腕や肘の痛み・しびれ、肩こり、首のこわばり、尺骨神経麻痺

手の太陽小腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

顔の症状

頭痛、めまい、耳鳴り、目の腫れ

手の太陽小腸経は顔面部も通っているため、顔に出る症状にも有効です。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 尺側手根屈筋 → 深指屈筋 → 前腕骨間膜

関係する筋肉

• 尺側手根屈筋
• 尺側手根伸筋

関係する動脈・静脈

• 尺骨動脈・静脈
• 後骨間動脈
• 尺側皮静脈

関係する神経

• 尺骨神経
• 橈骨神経
• 内側前腕皮神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)