SI6. 養老（ようろう）

　 所属する経脈

手の太陽小腸経（たいよう しょうちょうけい）

　名前の由来

養老（ようろう）の『養』は「療養」、『老』は「老化」を意味しています。

このツボは、老化からくる諸症状に対して効果があることから養老と名付けられました。

　要穴

① 小腸経の郄穴（げきけつ）

郄穴の『郄』は筋肉や骨の「すき間」という意味で、気血が盛んに集まるところです。

急性の病があるときには郄穴に反応が現れ、その治療に用いられます。

　位置

手首の小指側に、大きく出っ張っている骨があります（尺骨頭）。

手のひらを下に向けた状態でその骨のてっぺんを指で触り、続いて手のひらを胸の方へ向けると指が骨の間に入り込みます。

その骨のすき間に養老は位置しています。

　主治・効能

整形外科領域の症状

手首や腕の痛み、肩こり、寝違え、腰痛、関節リウマチ

手の太陽小腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

顔の症状

目のかすみ・充血、眼精疲労、にきび

手の太陽小腸経は顔面部も通っているため、顔に出る症状にも有効です。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 尺側手根伸筋腱

関係する筋肉

• 尺側手根伸筋

関係する動脈・静脈

• 尺骨動脈・静脈
• 尺側皮静脈

関係する神経

• 尺骨神経
• 内側前腕皮神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)