LU4. 侠白（きょうはく）

　 所属する経脈

手の太陰肺経（たいいん はいけい）

　名前の由来

侠白（きょうはく）の『侠』は「挟（はさ）む」という意味です。

『白』は五行論の五色から付けられたもので、肺と同じく「金」に属しています。

このツボは左右の上腕（二の腕）の内側にあり、肺を挟むように位置することから侠白と名付けられました。

　位置

脇にできるシワから4寸下で（親指の幅4つ分下がったところ）、上腕二頭筋（力こぶを作る筋肉）の外側に侠白は位置しています。

同じ上腕二頭筋の外側に並ぶツボとして、侠白の1寸上（親指の幅1つ分上がったところ）に天府（てんぷ）があります。

　主治・効能

呼吸器系の症状

咳嗽（せき）、気管支喘息、息切れ、胸の痛み

手の太陰肺経に属するツボのため、上記のような呼吸器の症状に用いられます。

整形外科領域の症状

肩こり、肩の痛み・痺れ、肩関節周囲炎（五十肩）、腕の痛み・痺れ、肋間神経痛

主に、手の太陰肺経の走行部位と関係のある症状に使われます。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 上腕二頭筋

関係する筋肉

• 上腕二頭筋
• 上腕筋

関係する動脈・静脈

• 上腕動脈・静脈

関係する神経

• 上外側上腕皮神経
• 筋皮神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)