KI1. 湧泉(ゆうせん)
所属する経脈
足の少陰腎経(しょういん じんけい)
別名・別表記
地衝(ちしょう)、厥心(けっしん)
名前の由来
湧泉(ゆうせん)の『湧』は「湧く」こと、『泉』は「地下より噴き出す水」を指しています。
このツボは足底にあり、足の少陰腎経の気血が泉のように湧きだすところであるため湧泉と名付けられました。
要穴
① 腎経の井木穴(せいもくけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、湧泉は『木』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。足の少陰腎経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、湧泉は『木』にあたる。
位置
足底、足指屈曲時、足底の最陥凹部。
足裏の中央より少し前で、足の指を曲げたときに最もへこんでいる場所に湧泉はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
足腰の痛み・冷え、足指痛、こむら返り、体のだるさ・疲れ
主に、足の少陰腎経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
泌尿生殖器系の症状
生理痛、不妊、ED(インポテンツ)、浮腫(むくみ)
腎は生殖や水分代謝と深く関係しており、泌尿生殖系統の諸症状を治療します。
精神科領域の症状
不眠、ヒステリー、物忘れ、癇癪(かんしゃく)、小児のひきつけ
腎を補うことは精神の安定につながります。
その他
高血圧、頭痛、熱中症、失神、脳卒中
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 足底腱膜・短趾屈筋腱・第2虫様筋
関係する筋肉
- 足底腱膜
- 短趾屈筋
- 虫様筋
関係する動脈・静脈
- 足底動脈弓の枝
関係する神経
- 内側足底神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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