芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
組成
白芍(びゃくしゃく)・甘草(かんぞう)
効果
急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛
効能
柔肝解痙・緩急止痛(抑木培土)
主治
肝陰不足・肝気乗脾:
腹中のけいれん痛・四肢の筋肉のひきつりなど
方意
2種類の生薬構成という極めてわかりやすい鎮痙+鎮痛の基本処方です。
筋肉や腱などの緊張状態(つり、痛み)を補血することで緩和する白芍と、鎮痙・鎮痛(抗炎症作用)に優れた甘草がそれぞれを支えて効果を発揮します。
診断のポイントは、横紋筋や平滑筋の異常・緊張・痛み・四肢のひきつれ・両腹直筋のつっぱりなどです。
体力や証に関係なく使える汎用性の高さと、体の外部(筋肉痛)だけではなく内部(腹痛・腰痛など)にも、痙攣を伴う痛みに即効性が期待できることから、非常に重宝されます。臨床ではこむら返りによく使用されています。
甘草を含む漢方薬で有名な副作用に偽アルドステロン症があります。甘草に含まれるグリチルリチン酸が体内で変化し、高血圧、むくみ、低カリウム血症などの症状を引き起こします。血圧を上昇させるホルモンであるアルドステロンが増加していないにも関わらずこのような症状が起こるため、偽アルドステロン症という名前がつけられました。初期症状には手足の力が抜ける、手足のこわばり、高血圧、むくみ、頭痛などがあります。芍薬甘草湯は甘草の配合量が多いため、長期使用には注意が必要です。屯服薬として、痛みや痙攣が出た直後に服用するのが望ましいです。
甘草は芍薬の半量がよいとする説もありますが、原典では等量になっています。
類方鑑別
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):
比較的体力のない方で、腹部が張り、腹直筋が緊張し腹痛する場合に用います。
小建中湯(しょうけんちゅうとう):
桂枝加芍薬湯とよく似た症状で、より虚証の傾向のある場合に用います。
大建中湯(だいけんちゅうとう):
体力が低下し、腹壁の緊張が弱い方で鼓腸を呈し、時に腸管の蠕動亢進が認められ、腹痛を訴える場合に用います。
大柴胡湯(だいさいことう):
実証、季肋部の圧迫感を訴え、肋骨弓下部に抵抗・圧痛(胸脇苦満心下急)が強く、腹痛を訴え、便秘の傾向のある場合に用います。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):
比較的虚証の方が、各所の筋肉・関節などの持続性疼痛を訴える場合に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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