HT9. 少衝(しょうしょう)
所属する経脈
手の少陰心経(しょういん しんけい)
別名・別表記
別名:経始(けいし)
名前の由来
少衝(しょうしょう)の『少』は「手の少陰心経」のこと、『衝』は「要衝(要所)」を意味しています。
このツボは手の少陰心経の要衝であることから少衝と名付けられました。
要穴
① 心経の井木穴(せいもくけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、少衝は『木』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の少陰心経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、少衝は『木』にあたる。
位置
小指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
手の小指の爪の根本のすぐ外側(薬指に近い方)に少衝はあります。爪の底部の水平線と外側縁の垂線が交わったところに位置しています。
主治・効能
整形外科領域の症状
小指のしびれ
手の少陰心経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
循環器系の症状
胸の痛み、動悸、狭心症
手の少陰心経に所属することから、循環器系の症状に効果があります。
精神科領域の症状
ヒステリー、不眠
五臓の心は、精神と密接に関係しています。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 爪根
関係する動脈・静脈
- 背側指動脈・静脈
関係する神経
- 背側指神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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