ST2. 四白(しはく)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
四白(しはく)の『四』は「四方八方」のことで、『白』は「明るい」ことを意味しています。
このツボには視力回復の作用があり、四方八方が明るく見えるようになることから四白と名付けられました。
位置
顔面部、眼窩下孔部。
まっすぐ前を見たとき、瞳孔(目の中心にある黒目の部分)の直下にある承泣(しょうきゅう)のさらに下方、骨がへこんでいる部分(=眼窩下孔)に四白はあります。
瞳孔の直下には複数のツボが縦に並んでいて、四白の上方には承泣、下方には巨髎(こりょう)が位置しています。
主治・効能
顔の症状
目の充血・腫れ・痛み、まぶたの痙攣、眩暈(めまい)、眼精疲労、夜盲症、顔面神経麻痺、三叉神経痛、頭痛、鼻炎
四白はその部位から、顔に出る諸症状に対して治療効果があります。
特に、目の真下にあるツボのため、目に関する疾患によく用いられます。
また、四白の位置する眼窩下孔と呼ばれる孔には眼窩下神経(三叉神経の枝)が通っており、三叉神経痛にも効果があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 眼輪筋 → 上唇挙筋 → 眼窩下孔(上顎骨)
関係する筋肉
- 眼輪筋
- 上唇挙筋
関係する動脈・静脈
- 眼窩下動脈・静脈
関係する神経
- 眼窩下神経(三叉神経第2枝である上顎神経の枝)
- 顔面神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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