KI8. 交信(こうしん)
所属する経脈
足の少陰腎経(しょういん じんけい)
名前の由来
交信(こうしん)の『交』は「交会」、『信』は古代中国において「月経」を意味しています。
足の少陰腎経が交信より出て足の太陰脾経の三陰交(さんいんこう)と交会することや、交信が生理不順に有効であることからこの名が付けられました。
要穴
① 陰蹻脈の郄穴(げきけつ)
郄穴の『郄』は筋肉や骨の「すき間」という意味で、気血が盛んに集まるところです。
急性の病があるときには郄穴に反応が現れ、その治療に用いられます。
陰蹻脈…奇経八脈の一つ。足の少陰腎経の支脈でもある。奇経八脈に属する経脈は、陰蹻脈のほかに、任脈(にんみゃく)、督脈(とくみゃく) 、衝脈(しょうみゃく)、帯脈(たいみゃく)、陽蹻脈(ようきょうみゃく)、陽維脈(よういみゃく)、陰維脈(いんいみゃく)がある。
位置
下腿内側、脛骨内縁の後方の陥凹部、内果尖の上方2寸。
内くるぶしから上方に2寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)いったところで、復溜(ふくりゅう)の前方0.5寸に交信はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
腰背部の痛み、下肢の痛み・痺れ・冷え
主に、足の少陰腎経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
泌尿生殖器系の症状
生理不順、不正出血、陰部のかゆみ、睾丸の脹れ・痛み、排尿障害
腎は生殖や水分代謝と深く関係しており、泌尿生殖系統の諸症状を治療します。
消化器系の症状
下痢、便秘、排便困難
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 長趾屈筋 → 後脛骨筋後方 → 長母趾屈筋
関係する筋肉
- 長趾屈筋
- 後脛骨筋
- 長母趾屈筋
関係する動脈・静脈
- 後脛骨動脈・静脈
関係する神経
- 伏在神経
- 脛骨神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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