KI7. 復溜(ふくりゅう)
所属する経脈
足の少陰腎経(しょういん じんけい)
別名・別表記
伏白(ふくはく)、晶陽(しょうよう)、外命(がいめい)
名前の由来
復溜(ふくりゅう)の『復』は「再び返る」こと、『溜』は「急な水流」を意味しています。
足の少陰腎経は太谿(たいけい) → 大鐘(だいしょう) → 水泉(すいせん) → 照海(しょうかい)の順に内くるぶしを巡り、復溜に向かって再び上行することからこの名が付けられました。
要穴
① 腎経の経金穴(けいきんけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、復溜は『金』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。足の少陰腎経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、復溜は『金』にあたる。
位置
下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸。
太谿から真上に2寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)いったところで、アキレス腱の前縁に復溜はあります。
復溜の前方0.5寸には交信(こうしん)が位置しています。
主治・効能
整形外科領域の症状
腰背部の痛み、下肢の痛み・痺れ・冷え
主に、足の少陰腎経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
泌尿生殖器系の症状
生理不順、不正出血、おりものの異常、排尿障害、浮腫(むくみ)
腎は生殖や水分代謝と深く関係しており、泌尿生殖系統の諸症状を治療します。
その他
寝汗、下痢
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → アキレス腱・足底筋腱 → 長母趾屈筋
関係する筋肉
- 足底筋
- 長母趾屈筋
関係する動脈・静脈
- 後脛骨動脈・静脈
関係する神経
- 伏在神経
- 脛骨神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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