BL62. 申脈(しんみゃく)
所属する経脈
足の太陰脾経(たいいん ひけい)
別名・別表記
鬼路(きろ)
名前の由来
申脈(しんみゃく)の『申』は「伸びる」、『脈』は「血脈」「筋脈」を意味しています。
このツボに鍼を刺すと、血脈の流れを良くなって筋肉が伸びやすくなることから申脈と名付けられました。
要穴
① 八脈交会穴(はちみゃくこうえけつ)
別称:八総穴(はっそうけつ)、八宗穴(はっそうけつ)
奇経八脈(きけいはちみゃく)を代表する8つのツボのことで、申脈は陽蹻脈(ようきょうみゃく)に通じています。
また、八脈交会穴は手足に4つずつ存在していて、手足のツボを組み合わせて使うことでさまざまな不調に対応することができます。
奇経八脈…正経十二経脈の間を縦横に走る8つの経脈(督脈(とくみゃく)、任脈(にんみゃく)、衝脈(しょうみゃく)、帯脈(たいみゃく)、陽蹻脈(ようきょうみゃく)、陰蹻脈(いんきょうみゃく)、陽維脈(よういみゃく)、陰維脈(いんいみゃく))のこと。
位置
足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部。
外果(外くるぶし)の真下にある凹んだところに申脈はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
腰や太ももの痛み・だるさ、外くるぶしの腫れ・痛み、肩こり、首こり
主に、足の太陽膀胱経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
頭・顔の症状
頭痛、めまい、耳鳴り、目の充血・痛み、鼻血
足の太陽膀胱経は顔や頭も走行しており、それらの部位に出る症状にも治療効果があります。
その他
不眠
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 下伸筋支帯 → 長腓骨筋腱・短腓骨筋腱 → 外側距踵靭帯
関係する筋肉
- 長腓骨筋
- 短腓骨筋
関係する動脈・静脈
- 外果動脈網
関係する神経
- 浅腓骨神経
- 外側足背皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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