【漢方相談】50代・女性 更年期障害・不正出血

◆ ご相談された症状

更年期障害・むくみ・のどの渇き

◆ ご相談されて症状はどう変わりましたか?

更年期障害は徐々に良くなってきました。気持ちの落ち込みも回復してきています。むくみはまだ解消していませんが、もう少し時間をかけて様子を見てみようと思います。

桃華堂からのコメント

この方は気分の落ち込みと、3ヶ月前から続く不正出血がありました。膀胱炎で排尿時に痛みがあり、夜中にトイレに起きることも多かったようです。

中医学では「脾は統血(とうけつ)を主る」という考えがあります。血液が血管から漏れ出ないようにする作用を統血作用と言って、この働きを維持しているのが脾(胃腸)です。胃腸が弱ると血液が漏れ出やすくなり、この方の不正出血の原因もここにあります。ぶつけた記憶がないのにアザがよくできるというのも、胃腸の弱りによって血液が漏れ出やすくなっているためです。また、氷や固いものを噛みたくなる、血液検査でヘモグロビンが低いことから、鉄欠乏性の貧血であると考えられました。

漢方薬は胃腸の元気にする人参湯(にんじんとう)を中心に、水分代謝をよくする五苓散(ごれいさん)を加えて処方しました。

2週間の服用で喉の乾き、膀胱炎がよくなり、不正出血の量も減りました。しかし、氷を噛みたくなる症状やアザのできやすさはまだ改善しておらず、むくみも残っています。むくみの原因は血中のアルブミンや鉄分が足りず、血中の成分が薄いせいです。血中の成分が薄いと余分な水を血中に引き込むことができず、むくみになります。一度枯渇してしまった成分を補給するのには数ヶ月かかるので、むくみの改善にも時間がかかります。現在不正出血は完全にとまっており、気分の落ち込みもよくなっているようです。