槐花(かいか)

基原

マメ科 Leguminosaeのエンジュ Sophora japonica L.の花もしくは花蕾

性味

苦、微寒

帰経

肝・大腸

効能・効果

①涼血止血
②清肝降火

主な漢方薬

槐花散(かいかさん)

特徴

エンジュは古くから日本で植栽されている植物です。学名にjaponicaとあり、学名がついた当時は日本原産であると考えられていたようですが、原産は中国です。

古くは「えにす」と呼ばれており、これが転化してエンジュになりました。「延寿」に通じることから、日本ではめでたい木であるとされています。

若葉は茹でると食べることができます。

エンジュに似た植物でイヌエンジュがありますが、こちらは日本の固有種です。育てやすく長命なため、日本全国の街路樹や庭木などとして植えられています。イヌエンジュにはエンジュのような薬効はないと考えられています。

エンジュは使用部位で生薬の名前が異なります。花を乾燥させたものを「槐花」、花蕾を乾燥させたものを「槐米(かいべい)」または「槐花米(かいかべい)」、果実を乾燥させたものを「槐角(かいかく)」と言います。現在生薬として使われることが多いのは槐花と槐角です。効能はほぼ同じですが、涼血止血(血液の熱を冷まして止血する働き)は槐花の方が優れ、瀉熱下降(熱を冷まして気を下に降ろす働き)は槐角の方が優れていると言われています。

涼血止血作用があることから、血便・痔出血・鼻血などに用いられます。

肝の熱を冷ます効果があることから、肝火上炎(かんかじょうえん:精神的ストレスに熱が加わった状態)による目の充血や頭痛・イライラなどに黄苓(おうごん)や菊花(きくか)と一緒に用いられます。

成分としてフラボノイドのルチンが含まれています。ルチンはかつてビタミンPとよばれていたビタミン様物質で、毛細血管の働きを安定・強化させることで高血圧・動脈硬化・脳卒中などの予防効果があると言われています。ルチンを主成分とした健康食品も販売されており、槐花はルチンの抽出原料として使われています。ルチンは他にもソバなどにも含まれています。