三七(さんしち)・田七(でんしち)

基原

ウコギ科AraliaceaeのサンシチニンジンPanax notoginseng (Burkill) F. H. Chen ex C. Y. Wu & K. M. Feng.の根

性味

甘・微苦、温

帰経

肝・胃

効能・効果

①散瘀止血
②消腫定痛

主な漢方薬

七宝散(しっぽうさん)
生地黄湯(しょうじおうとう)

特徴

サンシチニンジンは高麗人参と同じウコギ科の多年生植物で、標高1200m~1800mの高地で栽培されています。食卓に並ぶ野菜であるニンジンはセリ科の植物であり、植物分類学上は別の種になります。中国では雲南省や広西省が主産地となっています。

植えてから収穫されるまでに3~7年もかかることから、三七人参と名付けられたという説があります。また、三七人参の古称を「山漆」といい、山間に生育し、漆のように粘って止血することから名付けられたという説もあります。生長中に土壌の栄養分を吸収し尽くしてしまい、収穫したあとの土地には雑草も生えないと言われています。中国広西省の田東、田陽で生産されることから、田七人参とも呼ばれます。金にも換え難い生薬として珍重されており、「金不換」とも呼ばれています。

秋に種子ができる前に収穫したものを「春三七」、冬に種子が成熟した後に収穫したものを「冬三七」といいます。春三七のほうが質がよいとされています。

古くから三七人参は中国で使われていたと考えられていますが、文献に登場するのは16世紀の「本草綱目(ほんぞうこうもく)」です。

中国では長らく国外輸出が禁止されていたため、日本漢方ではあまり知られていません。近年になって日本をはじめ世界各国に輸出されており、片仔廣(へんしこう)や雲南白薬(うんなんびゃくやく)などの中成薬に配合され、健康食品としても流通しています。

主根の大きいものが良品とされ、大きさで等級が分けられています。10~19個で500gとなるものを一等級(10頭根)と呼び、20~29個でなるものを二等級(20頭根)としています。頭数の数字が少なくなるほどサポニンの含有量も多く、価格も上がってきます。日本国内で取引されているのは一番大きいもので20頭のものです。
田七人参には高麗人参の2倍~4倍のサポニンが含まれており、「人参の王」とも表現されています。サポニンには血流改善作用、降圧作用、血栓の予防、抗糖尿病作用、免疫力の増加、疲労回復、鎮痛作用、精力増強などの働きがあります。

出血を止める止血薬(しけつやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に槐花(かいか)仙鶴草(せんかくそう)、地楡(ちゆ)などがあります。

吐血・鼻出血・血便・不正出血および産後の出血過多など各種出血に用いられます。代表的な漢方薬に、生地黄(しょうじおう)と一緒に配合された生地黄湯(しょうじおうとう)があります。

外傷の出血に単味の粉末を内服・外用します。

貧血傾向で瘀血の症状がない場合は禁忌です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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