地膚子(じふし)
基原
アカザ科ChenopodiaceaeのホウキギKochia scoparia Schrad.の成熟果実
性味
辛・苦、寒
帰経
腎・膀胱
効能・効果
①清湿熱・利小便
②祛風止痒
主な漢方薬
地膚子湯(じふしとう)
特徴
ユーラシア大陸原産の一年草で、日本には平安時代初期に中国から渡来したとされています。秋には株全体が紅葉して、美しい姿を見せてくれます。庭園に観賞用として植えられるものは、「コキア」という名前で園芸店で販売されています。
ホウキギの名前の由来は、その名の通り株が草箒の材料となることからです。
秋田では種子を煮てトンブリという名で食用にされており、「畑のキャビア」や「陸のカズノコ」という別名もあります。魚卵のような淡い緑色で味は淡白であり、プチプチとした食感があります。
]地膚子は「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の上品に収録されており、「味は苦・寒。膀胱をつかさどり、小便が熱利するのを改善し、消化機能を補い、精気を益す。久しく服用すれば、耳目を聡明にし、身体を軽くし、老いによる衰えを防ぐ」と記されています。膀胱の湿熱を清利するだけでなく、皮膚の風を散じる効能もあります。
水の巡りを改善する利水滲湿薬(りすいしんしつやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、沢瀉(たくしゃ)、車前子(しゃぜんし)、防已(ぼうい)、薏苡仁(よくいにん)、木通(もくつう)、滑石(かっせき)、金銭草(きんせんそう)、茵蔯蒿(いんちんこう)があります。
湿熱下注膀胱の排尿困難・排尿痛などの症状に、猪苓や滑石と一緒に用いられます。代表的な漢方薬に、地膚子湯(じふしとう)があります。
皮膚の痒み・疥癬・湿疹・蕁麻疹などの症状に、蝉退(せんたい)や荊芥(けいがい)と一緒に用いられます。
陰虚の小便短少赤渋には禁忌です。
※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。
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