SI13. 曲垣（きょくえん）

　 所属する経脈

手の太陽小腸経（たいよう しょうちょうけい）

　名前の由来

曲垣（きょくえん）の『曲』は「湾曲」したところ、『垣』は「垣根」や「堀」を表しています。

このツボは肩甲棘の内端にあり、肩甲棘がちょうど湾曲した堀のような形をしていることから曲垣と名付けられました。

　位置

秉風（へいふう）から、その真下にある肩甲骨の出っ張り（肩甲棘）に沿って背骨の方へ指をすべらせたとき、肩甲棘内端の上方で触れるくぼみに曲垣はあります。

この位置はちょうど、臑兪（じゅゆ）と第2胸椎棘突起を結ぶ線の中点にあたります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

肩甲部の痛み・こわばり、肩こり、肩関節周囲炎（五十肩）

手の太陽小腸経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 僧帽筋 → 棘上筋

関係する筋肉

• 棘上筋
• 僧帽筋

関係する動脈・静脈

• 頸横動脈・静脈

関係する神経

• 肩甲上神経
• 副神経
• 頸神経叢
• 胸神経後枝

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)