HT3. 少海(しょうかい)
所属する経脈
手の少陰心経(しょういん しんけい)
別名・別表記
別名:曲節(きょくせつ)
名前の由来
少海(しょうかい)の『少』は「手の少陰心経」のこと、『海』は「集まる」ところを意味しています。
このツボは、手の少陰心経を流れる気が多く集まることから少海と名付けられました。
要穴
① 心経の合水穴(ごうすいけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、少海は『水』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の少陰心経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、少海は『水』にあたる。
位置
肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さ。
肘窩横紋(ヒジの内側にあるシワ)の内側端と、上腕骨内側上顆(ヒジの内側にある骨の出っ張り)を結ぶ線上の中点に少海はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
肩や腕の痛み・しびれ、上腕の挙上困難、首のこわばり
手の少陰心経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
循環器系の症状
胸の痛み、動悸
手の少陰心経に所属することから、循環器系の症状に効果があります。
顔の症状
頭痛、めまい、耳鳴り、目の充血、副鼻腔炎、歯の痛み
手の少陰心経は支脈が顔面部に及んでいるため、顔に出る症状を治療できます。
その他
ヒステリー、認知症、嘔吐
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 円回内筋 → 上腕筋
関係する筋肉
- 円回内筋
- 上腕筋
関係する動脈・静脈
- 尺側反回動脈・静脈
- 下尺側側副動脈・静脈
- 尺側皮静脈
関係する神経
- 内側前腕皮神経
- 正中神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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