BL48. 陽綱（ようこう）

　 所属する経脈

足の太陽膀胱経（たいよう ぼうこうけい）

　名前の由来

陽綱（ようこう）の『陽』は「六腑」のこと、『綱』は「統括」することを指しています。

このツボは胆兪（たんゆ）の横にあり、胆兪は六腑の背部兪穴（胃兪、三焦兪、大腸兪、小腸兪、膀胱兪）の最上部にあってこれらを統括していることから陽綱と名付けられました。

　位置

第10胸椎の棘突起下縁に中枢（ちゅうすう）があり、そこから外方1.5寸（1寸＝手の親指の横幅の長さ）のところに胆兪、さらに外方1.5寸のところに陽綱があります。

　主治・効能

消化器系の症状

腹痛、お腹の張り、胃けいれん、食欲不振、下痢、胆石症、黄疸

陽綱は胃腸に近く、消化器系の疾患に対して用いられます。また、胆兪の横に位置することから胆兪と同様の治療効果があります。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 広背筋 → 下後鋸筋 → 脊柱起立筋

関係する筋肉

• 広背筋
• 下後鋸筋
• 脊柱起立筋

関係する動脈・静脈

• 肋間動脈・静脈

関係する神経

• 胸背神経
• 胸神経後枝

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)