BL23. 腎兪(じんゆ)
所属する経脈
足の太陽膀胱経(たいよう ぼうこうけい)
名前の由来
このツボは腎の背部兪穴(”要穴” の項を参照)であり、腎疾患を治療する要穴であることから腎兪(じんゆ)と名付けられました。
要穴
① 腎の背部兪穴(ゆけつ)
兪穴の『兪』は「輸送する」ことを意味しており、兪穴とは経気(経脈上を流れている気)を輸送するところです。
兪穴は全部で12個あり、そのすべてが背中に位置しているため背部兪穴とも呼ばれます。
12個の兪穴はそれぞれが六臓六腑と対応しており、腎兪は腎に対応しています。
位置
腰部、第2腰椎(L2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。
第2腰椎の棘突起下縁から外方に1.5寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)いったところに腎兪はあります。
第2腰椎棘突起下縁の高さにはいくつかのツボが横に並んでいて、後正中線上に命門(めいもん)、外方1.5寸に腎兪、外方3寸に志室(ししつ)が位置しています。
主治・効能
消化器系の症状
腹痛、消化不良、食欲不振、嘔吐、下痢、腸炎
腎兪は胃腸の近くにあるため、消化器系の症状を治すのに用いられます。
泌尿器・生殖器系の症状
頻尿、尿失禁、排尿困難、腎炎、膀胱炎、尿道炎、生理不順、おりものの異常、ED(インポテンツ)、浮腫(むくみ)
このツボは腎の背部兪穴であり、腎と関係の深い生殖器や泌尿器系の異常を治します。
その他
腰や膝の痛み・冷え・無力感、めまい、耳鳴り、難聴
腎は膝や腰、耳とも深く関係しています。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 腰背腱膜 → 脊柱起立筋
関係する筋肉
- 腰背腱膜
- 脊柱起立筋
関係する動脈・静脈
- 腰動脈
関係する神経
- 腰神経後枝
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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