玉屏風散(ぎょくへいふうさん)
組成
黄耆(おうぎ)・白朮(びゃくじゅつ)・防風(ぼうふう)
効果
身体虚弱で疲労し易いものの次の諸症:
虚弱体質、疲労倦怠感、ねあせ
効能
益気固表止汗
主治
衛陽不固:
悪風・自汗・顔色が白い・風邪をひきやすく治りにくいなど
方意
体表を巡る気は衛気(えき)と言って、外部からの攻撃(ウイルス・細菌・花粉・冷えなど)から体を守る役割があります。玉屏風散はこの衛気が不足することによって起こる異常発汗や寝汗、風邪を引きやすく治りにくいなどの症状に用いられます。
主薬である黄耆はこの免疫に重要な衛気を補う働きがあり、玉屏風散では黄耆は大量に用いられています。白朮は胃腸系の機能を助け、水分代謝をよくすることでむくみを解消します。白朮は黄耆を補佐し、気血の化源を補充して衛陽を充盛させる働きもあります。防風は風邪の侵入を防ぎ、鎮痛・鎮痙的な働きをします。走表して風邪を祛除する防風を配合することで、黄耆によって汗が泊まる作用を少し穏やかにして正常な発汗を維持します。
玉屏風散と桂枝湯(けいしとう)はどちらも表虚自汗に対する方剤ですが、玉屏風散は固表止汗に働くので衛虚不固の自汗に適し、桂枝湯は調和営衛・解肌に働くので風寒表虚証あるいは雑病の営衛不和による自汗に適しています。
類方鑑別
桂枝湯(けいしとう):
風邪の初期で発熱・痛みがある場合に用います。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):
玉屏風散と同じく表虚で自汗する場合に用います。体内に余剰な水分が停滞して、肥満だけでなく関節痛などがあります。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):
日頃から疲労して表裏ともに気虚があります。全身機能を高めて体力を増やします。
六味地黄丸(ろくみじおうがん):
寝汗の原因が陰虚にある場合に用います。潤いが不足し、ほてり・排尿障害などの症状があります。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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