荷葉(かよう)

荷葉

基原

スイレン科NymphaeaceaeのハスNelumbo nucifera Gaertnの葉

性味

苦、平

帰経

肝・脾・胃

効能・効果

①清暑闢穢
②昇清醒脾
③化瘀止血

主な漢方薬

清絡飲(せいらくいん)

特徴

ハスはインドが原産といわれ、熱帯アジア、インド、中国、オーストにリアに分布する大型の水生の多年草です。日本でも2000年前から自生しています。

果実が蜂の巣を連想させることから古くは「はちす」と呼ばれており、これが転訛して「ハス」になったと考えられています。ハスは「芙蓉(ふよう)」とも呼ばれ、「蓮」以外にも「藕」や「荷」の漢字があてられることがあります。

ハスの花は「蓮華(れんげ)」とも呼ばれ、清らかさや聖性の象徴とされています。仏教では泥水の中から美しい花を咲かせる姿が仏の智慧や慈悲の象徴とされ、仏像が蓮華の上に座っているのも、極楽浄土には蓮華が咲いていると信じられているためです。

傾国の美女として知られる楊貴妃は、体型維持のためにハスの葉のお茶を飲んでいました。近年ではハスの葉の利尿作用や代謝促進作用が注目され、ダイエット茶などに配合されています。

薬用以外にも、肥大した地下茎がレンコンとして食用されています。中国ではハスの実はお菓子やおかゆ、薬膳料理に取り入れられています。観賞用として庭池に植えられることも多く、私達にとって身近な植物です。

ハスは様々な部位が薬用に利用されています。根の節は「藕節(ぐうせつ)」と言い、吐血や鼻出血、血尿、不正出血などに止血剤として用いられます。種子は「蓮子(れんし)」または「蓮肉(れんにく)」と言い、食欲不振や消化不良の下痢を治す健胃作用や精神を安定させる安神作用があります。果実の中の青い胚芽のみを採取したものを「蓮心(れんしん)」と言い、清熱作用が強く高熱や発汗過多、夏バテやうわごとなどに用いられます。葉の部分は「荷葉」または「蓮葉(れんよう)」と言い、清熱作用があり、浮腫解消効果もあります。他にも葉柄・花柄を「荷梗(かこう)」、花托を「蓮房(れんぼう)」、雄しべを「蓮鬚(れんしゅう)」、堅い果皮をつけた果実を「石蓮子(せきれんし)」と言います。

夏季に発生する暑邪(しょじゃ)を除く祛暑薬(きょしょやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に佩蘭(はいらん)、白扁豆(びゃくへんず)、緑豆(りょくず)、西瓜(せいか)、藿香(かっこう)などがあります。

夏の暑さを和らげる解暑の作用があり、熱中症や暑気あたりによる頭がぼーっとする・発熱・尿が濃いなどの症状に用いられます。代表的な漢方薬は、金銀花(きんぎんか)と一緒に配合されている清絡飲(せいらくいん)です。

余分な水分を尿として体外に排出する働きがあり、浮腫・下痢などに用いられます。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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