十薬(じゅうやく)

十薬

基原

ドクダミ科SaururaceaeのドクダミHouttuynia cordata Thunb.の花期から果実期にかけての全草

性味

辛、微寒

帰経

肺・腎・膀胱

効能・効果

①清熱解毒・消癰
②利水通淋

主な漢方薬

五物解毒散(ごもつげどくさん)
魚腥草桔梗湯(ぎょせいそうききょうとう)

特徴

ドクダミは多年生の草本であり、全草に特異な臭いがあります。ドクダミの花は5・6月ごろに咲き、全体として白い花のように見えますが、実際の花は黄色い小花が集まった棒状の花穂の部分で、白い花は葉が変形したものです。

湿り気のある日陰を好み、住宅周辺の庭や空き地、道端、林によく群生しています。繁殖力が強く、ちぎれた地下茎からでも繁殖するため、放置すると一面ドクダミだらけになります。うっかり踏んでしまうと、独特の生臭さがついてしまうため注意が必要です。

日本では雑草として身近な存在であり、江戸時代から民間薬として利用されてきました。ゲンノショウコ、センブリとともに、日本の三大民間薬の1つとされています。名前の由来は、毒を抑えるという意味の「毒矯み(どくだみ)」からきていると言われています。薬用よりも健康茶や健康食品としての需要が高く、ドクダミ茶は現代でも親しまれており、様々な健康茶にもブレンドされています。一方、中国では「名医別録」に下品(毒の多い薬物)として収載され、食べ過ぎてはよくない薬草であると書かれています。古来中国では十薬は内服薬としてではなく、専ら外用薬として利用されていました。毒消しとして内服する民間療法は日本特有のものであると言えるかもしれません。

お茶としてだけでなく、化粧水や入浴剤など、肌荒れ改善に外用されています。桃華堂でも足湯に使っている生薬風呂にドクダミが入っています。

日本の生薬名は十薬という名前が使われていますが、中国では魚腥草(ぎょせいそう)という名前で使われています。「腥=生臭い」という意味で、名前の通り生のドクダミからは特異臭がします。英語でもfish mintといい、ドクダミの臭いを魚の生臭さに例えています。ドクダミに熱を加えて乾燥させると、ほとんど臭わなくなります。

熱毒を治療する清熱解毒薬(せいねつげどくやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に鴨跖草(おうせきそう)金銀花(きんぎんか)、連翹(れんぎょう)、蒲公英(ほこうえい)、板藍根(ばんらんこん)、土茯苓(どぶくりょう)、白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)があります。

熱を冷ます作用があり、特に皮膚や呼吸器の症状によく使われます。

水分代謝を改善し、排尿痛・排尿困難などを改善します。

煎じ薬として用いる時は、新鮮品は倍量を用い、長時間の煎じは避けましょう。

胃腸が弱く冷えのある人には不向きです。