現の証拠(げんのしょうこ)

基原

フクロウ科Geraniaceaeのゲンノショウコの地上部

特徴

ゲンノショウコは中国、朝鮮半島、台湾に分布し、日本でも陽の当たる道端、田畑の周りなどに普通に見られる多年草です。東日本では白地に紫色の筋の入った花をつけるものが多く、西日本では全体が赤紫の花をつけるものが多く見られます。特に花の色で薬効に差はないと言われています。

センブリ、ドクダミ(十薬)とともに日本の三大民間薬の一つであり、下痢止めとして使用されています。葉に含まれるゲラニインというタンニンの一種が、小腸および大腸の運動を抑えて下痢を止めます。効果は即効性で、飲むとすぐ効くことから「現の証拠」という名前がつけられました。民間薬でありながら、日本薬局方にも収載されています。

下痢、腹痛などに止瀉剤として働く一方で、便秘の時には緩下剤となる独特の作用が知られています。下痢止めに用いる場合には煎液の温かいもの、便秘に用いる場合には冷ましたものを服用する、といった話もあります。

ゲンノショウコの別名は玄草(げんそう)です。葉の形にちなんで猫足(ねこあし)、ウメに似た花形と茎が細く伸びる姿から梅蔓(うめずる)とも呼ばれることもあります。優れた薬効を持っていることから、イシャゴロシ(医者殺し)、イシャナカセ(医者泣かせ)、タチマチグサ、テキメンソウなどの異名もあります。

これだけ日本では効能が知られている植物ですが、漢方薬には配合されていません。日本で販売されている市販の整腸薬には配合されている場合があります。

ゲンノショウコは昔から土用の頃に採るとよいと言われています。この頃は葉が旺盛な生育を示し、ゲラニインの含有量が高いためです。

ゲンノショウコの中国名は童氏老鸛草(どうしろかんそう)と言います。ゲンノショウコは生薬として流通しておらず、中国の生薬に老鸛草(ろかんそう)というものがありますが、こちらの基原はフクロウ科GeraniaceaeのキクバフウロErodium stephanianum Willd.であり、効能も関節痛やしびれの改善なので、ゲンノショウコとは別物です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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