使君子(しくんし)

基原

シクンシ科CombretaceaeのインドシクンシQuisqualis indica L.の成熟果実

性味

甘、温

帰経

脾・胃

効能・効果

①殺虫消積
②健脾療疳

主な漢方薬

使君子丸(しくんしがん)

特徴

シクンシ科の植物は旧世界の熱帯・亜熱帯に分布している木本性つる植物です。使君子という生薬名に由来して、植物の和名もシクンシといいます。日本ではあまり馴染みのない科であり、日本に自生しているのは、沖縄地方や小笠原諸島にあるモモタマナとヒルギモドキの2種類のみです。インドシクンシは日本に自生はしていませんが、各地の植物園で栽培されています。インドシクンシは赤やピンクのきれいな花をたくさんつけ、花期が長いため植物園の温室などに目玉植物の一つとしてよく植えられています。温室では薬用部位である果実が実ることは非常に稀です。

シクンシ科の生薬は他にもアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)の主要薬物の一つである訶子(かし)があります。

人体の寄生虫を駆除・滅殺する駆虫薬(くちゅうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に蕪荑(ぶい)、南瓜子(なんかし)、大蒜(たいさん)があります。

衛生環境が悪い時代には寄生虫の駆除は特に重要であったため、「天子から授かったほどの貴重な薬」という意味で使君子と名付けられたと言われています。近年は寄生虫症もほとんどなくなり、日本では生薬そのものを見る機会も少なくなりました。

回虫による腹痛あるいは蟯虫に、単味あるいは檳榔子(びんろうじ)や烏梅(うばい)などと一緒に用いられます。

小児の疳積(寄生虫による消化不良)に、大黄(だいおう)などと一緒に用いられます。疳積の重症で四肢が痩せて腹が膨満しているときには、人参(にんじん)や白朮(びゃくじゅつ)などと一緒に用いられます。

使君子は甘温で、殺虫するだけでなく健脾消積にも働き、回虫・蟯虫を駆除する要薬です。甘い味がするため小児にも使用しやすく、小児疳積や乳食停滞などにも用いられます。

虫積には炒して食するだけでよく、通常は大黄などの瀉薬を必要としません。成人では1回10~20粒、小児では1歳ごとに1粒半を用い、総量が20粒を超えない範囲で、1日1回の服用を3日続けるとよいです。

単味の食服や丸・散に入れるときは炒用し、煎剤には生用します。

大量に食したり茶と一緒に服用すると、吃逆・めまい・嘔吐・悪心・下痢などを引き起こすので注意が必要です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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