SP4. 公孫（こうそん）

　 所属する経脈

足の太陰脾経（たいいん ひけい）

　名前の由来

公孫（こうそん）とは、古代諸侯の孫のことを指しています。

このツボは脾経の絡穴（”要穴” の項を参照）であることから公孫と名付けられました。

　要穴

① 脾経の絡穴（らくけつ）

絡穴の『絡』は「まとう」という意味で、表裏関係にある経脈へと分かれているところです（足の太陰脾経 → 足の陽明胃経）。

表裏の経脈にまたがる不調を同時に治療したり、慢性疾患に効果があるとされています。

② 八脈交会穴（はちみゃくこうえけつ）

別称：八総穴（はっそうけつ）、八宗穴（はっそうけつ）

奇経八脈（きけいはちみゃく）を代表する8つのツボのことで、公孫は衝脈（しょうみゃく）に通じています。

また、八脈交会穴は手足に4つずつ存在していて、手足のツボを組み合わせて使うことでさまざまな不調に対応することができます。

　位置

足の内側の赤白肉際（足の裏と甲の境目で、皮膚の色が変わる部分）上で、太白（たいはく）からかかと側に向けて指を滑らせたときに触れるくぼみに公孫はあります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

足裏の痛み

主に、足の太陰脾経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

消化器系の症状

腹痛、お腹の張り、消化不良、食欲不振、便秘、下痢、嘔吐

足の太陰脾経に所属することから、消化器系の症状に効果があります。

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 前脛骨筋腱・母趾外転筋

関係する筋肉

• 前脛骨筋
• 母趾外転筋
• 短母趾屈筋

関係する動脈・静脈

• 内側足底動・静脈

関係する神経

• 伏在神経
• 内側足底神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)