LU10. 魚際(ぎょさい)

 所属する経脈

手の太陰肺経(たいいん はいけい)

 名前の由来

魚際(ぎょさい)の『魚』は、母指球(手の親指の付け根から手首までのふくらみ)を魚の腹に例えたものです。

『際』は「際(きわ)」の意味で、このツボは母指球の際にあることから魚際と名付けられました。

 要穴

肺経の栄火穴(えいかけつ)

五行論(ごぎょうろん)において、魚際は『火』の性質を持っています。

五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の太陰肺経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、魚際は『火』にあたる。

 位置

手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際

母指球のふくらみ中央から外側にいったところ、手のひらと甲の境目(皮膚の赤い部分と白い部分の間)に魚際があります。

 主治・効能

呼吸器系の症状

咳嗽(せき)気管支喘息(ぜんそく)のどの腫れ・痛み喀血(かっけつ)

手の太陰肺経に属するツボのため、上記のような呼吸器の症状に用いられます。

消化器系の症状

腹痛嘔吐

手の太陰肺経中焦より起こることから、上記のような消化器症状にも有効です。

中焦…横隔膜からへその間のお腹を指す。飲食物の消化や栄養分の運搬を行っている。

整形外科領域の症状の症状

母指球の痛み手首の痛み腱鞘炎肩の痛み

主に、手の太陰肺経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

その他

感冒(かぜ)発熱悪寒(おかん)・寒気(さむけ)

魚際には、肺やのどの熱をしずめる作用があります。

そのため、発熱やのどの炎症など、かぜ症状に効果があります。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 短母指外転筋・母指対立筋

関係する筋肉

  • 短母指外転筋
  • 母指対立筋

関係する動脈・静脈

  • 固有掌側指動脈
  • 背側指静脈

関係する神経

  • 橈骨神経
  • 正中神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)