SP11. 箕門(きもん)

  所属する経脈

足の太陰脾経(たいいん ひけい)

 名前の由来

箕門(きもん)の『箕』は「み」ともいい、穀物を選別するときに脱穀するための容器を指します。『門』はそのまま「門」の意味です。

このツボは太ももの内側にあり、脚を前に投げ出して座る姿勢が箕に似ている、あるいは両脚が門のように見えることから箕門と名付けられました。

また別説として、「箕星」という星座の形が、箕門を取穴する際の姿勢に似ていることが由来ともいわれています。

 位置

大腿内側、膝蓋骨底内端と衝門(SP12)を結ぶ線上、衝門(SP12)から1/3、縫工筋と長内転筋の間、大腿動脈拍動部。

膝蓋骨(膝の皿)の内側端と衝門(しょうもん)を結ぶ線を3等分したとき、衝門から1/3の部位に箕門はあります。

この部位を指で触れると、大腿動脈の拍動が感じられます。

 主治・効能

整形外科領域の症状

鼠径部の腫れ・痛み

主に、足の太陰脾経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。

泌尿器系の症状

排尿困難尿失禁

は水分代謝と深い関係があり、泌尿器系の症状に効果があります。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 縫工筋・長内転筋

関係する筋肉

  • 内側広筋(大腿四頭筋の一つ)
  • 縫工筋
  • 長内転筋

関係する動脈・静脈

  • 大腿動・静脈

関係する神経

  • 大腿神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)

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