BL58. 飛揚(ひよう)
所属する経脈
足の太陽膀胱経(たいよう ぼうこうけい)
別名・別表記
飛陽(ひよう)、厥陽(けつよう)
名前の由来
飛揚(ひよう)は「飄揚(風に吹かれて舞い上がる)」という意味があります。
このツボは足の太陽膀胱経の絡穴(”要穴” の項を参照)であり、経気がここから足の少陰腎経へと素早く飛んでいく様子を表して飛揚と名付けられました。
要穴
① 膀胱経の絡穴(らくけつ)
絡穴の『絡』は「まとう」という意味で、表裏関係にある経脈へと分かれているところです(足の太陽膀胱経 → 足の少陰腎経)。
表裏の経脈にまたがる不調を同時に治療したり、慢性疾患に効果があるとされています。
表裏関係…正経十二経脈(足の太陽膀胱経などの12個の経脈)は6つの陽経と6つの陰経に分かれており、陽経と陰経でそれぞれ対となる相手がいる(計6つのペアが作られる)。これを表裏関係といい、足の太陽膀胱経は足の少陰腎経と対をなしている。
位置
下腿後外側、腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間、崑崙(BL60)の上方7寸。
崑崙(こんろん)の直上7寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)、承山(しょうざん)の外下方1寸に飛揚はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
腰痛、下肢の痛み・だるさ・痺れ、屈伸困難、肩こり・首こり
足の太陽膀胱経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
頭・顔の症状
頭痛、めまい、鼻血、鼻水、鼻づまり
足の太陽膀胱経は顔や頭も走行しており、それらの部位に出る症状にも治療効果があります。
その他
冷え性
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 腓腹筋・ヒラメ筋
関係する筋肉
- 腓腹筋
- ヒラメ筋
関係する動脈・静脈
- 腓骨動脈・静脈
関係する神経
- 脛骨神経
- 外側腓腹皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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