姜黄(きょうおう)
基原
ショウガ科ZingiberaceaeのウコンCurcuma longa L.ならびにハルウコンC.aromatica Sakisb.の根茎を湯通しして乾燥したもの
性味
苦・辛、温
帰経
脾・肝
効能・効果
①破血行気・通経止痛
②祛風勝湿
主な漢方薬
姜黄湯(きょうおうとう)
特徴
ウコンはインド原産で、紀元前から栽培されていたと考えられています。インド大陸の伝統医学であるアーユルヴェーダやインド料理、染料などに利用されていました。現代の主な栽培地は中国、台湾、インド、ベトナムなどですが、日本でも沖縄県や種子島、屋久島などで栽培されています。沖縄では「ウッチン」という名前で沖縄産のウコンが販売されており、名産の一つになっています。
ウコンには秋ウコン、春ウコン、紫ウコンがあります。一般的に日本で姜黄と言えば春ウコンのことです。秋ウコンは鬱金(うこん)という生薬名、紫ウコンは莪朮(がじゅつ)という生薬名になり区別されています。しかし、中国では日本の鬱金のことを姜黄、日本の姜黄のことを鬱金と呼んでいます。それぞれの植物の地上部が非常によく似ていること、中国では日本とは違う呼び方をされていることから、ショウガ科生薬の基原は非常に複雑で混乱しています。中国で販売もしくは輸出されている鬱金や姜黄は日本のものとは種類が違うので注意が必要です。
春ウコンは春から初夏にかけて赤い花を咲かせます。精油成分やミネラルを多く含んでおり、秋ウコンに比べるとどちらも約6倍もあると言われています。黄色の色素成分であるクルクミンも少量含んでいますが、こちらは秋ウコンのほうが豊富に含んでいます。豊富な食物繊維とミネラル、精油の働きによって、腸に適度な刺激を与えることから、おなかの調子を整える効果があります。
主に健康食品などに使われ、「黄ウコン」や「ワイルドターメリック」とも呼ばれています。「ターメリック」としてカレーのスパイスなどに使われるのは秋ウコン(鬱金)の方です。
瘀血(おけつ:血流が悪い状態)を改善する活血化瘀薬(かっけつかおやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に川芎(せんきゅう)、延胡索(えんごさく)、蘇木(そぼく)、降香(こうこう)、丹参(たんじん)、桃仁(とうにん)、紅花(こうか)、牛膝(ごしつ)、水蛭(すいてつ)などがあります。
気や血の流れをよくする働きがあり、これらの流れが悪いことによって引き起こされる痛みを改善します。胸の張り、腹痛や腹部膨満感、生理痛、月経不順などに用いられます。
風邪(ふうじゃ)や湿邪(しつじゃ)を除去する働きがあり、特に上半身の痛みやしびれを改善します。
妊婦さんには使用する場合は慎重に用います。
※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。
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